第4章の2 弁護士法人(第30条の2―第30条の27)/弁護士法
(昭和二十四年六月十日法律第205号)
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最終改正:平成一五年七月二五日法律第128号
| (最終改正までの未施行法令) |
| 平成十五年七月二十五日法律第128号 | (未施行) |
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弁護士法(昭和八年法律第53号)の全部を改正する。
第4章の2 弁護士法人
(設立等)
第30条の2
弁護士は、この章の定めるところにより、第3条に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「弁護士法人」という。)を設立することができる。
2
第1条の規定は、弁護士法人について準用する。
(名称)
第30条の3
弁護士法人は、その名称中に弁護士法人という文字を使用しなければならない。
(社員の資格)
第30条の4
弁護士法人の社員は、弁護士でなければならない。
2
次に掲げる者は、社員となることができない。
一
第56条又は第60条の規定により業務の停止の懲戒を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者
二
第56条又は第60条の規定により弁護士法人が除名され、又は弁護士法人の業務の停止の懲戒を受けた場合において、その処分を受けた日以前三十日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から三年(弁護士法人の業務の停止の懲戒を受けた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの
(業務の範囲)
第30条の5
弁護士法人は、第3条に規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、法令等に基づき弁護士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部を行うことができる。
(訴訟関係事務の取扱い)
第30条の6
弁護士法人は、次に掲げる事務については、依頼者からその社員又は使用人である弁護士(以下「社員等」という。)に行わせる事務の委託を受けるものとする。この場合において、当該弁護士法人は、依頼者に、当該弁護士法人の社員等のうちからその代理人、弁護人、付添人又は補佐人を選任させなければならない。
一
裁判所における事件(刑事に関するものを除く。)の手続についての代理又は補佐
二
刑事に関する事件の手続についての代理、刑事に関する事件における弁護人としての活動、少年の保護事件における付添人としての活動又は逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐
2
弁護士法人は、前項に規定する事務についても、社員等がその業務の執行に関し注意を怠らなかつたことを証明しなければ、依頼者に対する損害賠償の責めを免れることはできない。
(登記)
第30条の7
弁護士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2
前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(設立の手続)
第30条の8
弁護士法人を設立するには、その社員になろうとする弁護士が、定款を定めなければならない。
2
商法(明治三十二年法律第48号)第167条の規定は、弁護士法人の定款について準用する。
3
定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。
一
目的
二
名称
三
法律事務所の所在地
四
所属弁護士会
五
社員の氏名、住所及び所属弁護士会
六
社員の出資に関する事項
七
業務の執行に関する事項
(成立の時期)
第30条の9
弁護士法人は、その主たる法律事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
(成立の届出)
第30条の10
弁護士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記簿の謄本及び定款の写しを添えて、その旨を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
(定款の変更)
第30条の11
弁護士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
(業務の執行)
第30条の12
弁護士法人の社員は、定款で別段の定めがある場合を除き、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
(法人の代表)
第30条の13
弁護士法人の業務を執行する社員は、各自弁護士法人を代表する。
2
前項の規定は、定款又は総社員の同意によつて、業務を執行する社員中特に弁護士法人を代表すべき社員を定めることを妨げない。
(指定社員)
第30条の14
弁護士法人は、特定の事件について、業務を担当する社員を指定することができる。
2
前項の規定による指定がされた事件(以下「指定事件」という。)については、指定を受けた社員(以下「指定社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
3
指定事件については、前条の規定にかかわらず、指定社員のみが弁護士法人を代表する。
4
弁護士法人は、第1項の規定による指定をしたときは、指定事件の依頼者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
5
依頼者は、その依頼に係る事件について、弁護士法人に対して、相当の期間を定め、その期間内に第1項の規定による指定をするかどうかを明らかにすることを求めることができる。この場合において、弁護士法人が、その期間内に前項の通知をしないときは、弁護士法人は、その後において、指定をすることができない。ただし、依頼者の同意を得て指定をすることを妨げない。
6
指定事件について、委任事務の結了前に指定社員が欠けたときは、弁護士法人は、新たな指定をしなければならない。その指定がされなかつたときは、全社員を指定したものとみなす。
7
社員が一人の弁護士法人が、事件の依頼を受けたときは、その社員を指定したものとみなす。
(社員の責任)
第30条の15
弁護士法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯してその弁済の責めに任ずる。
2
弁護士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする。
3
前項の規定は、社員が弁護士法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。
4
前条第1項の規定による指定がされ、同条第4項の規定による通知がされている場合(同条第6項又は第7項の規定により指定したものとみなされる場合を含む。)において、指定事件に関し依頼者に対して負担することとなつた弁護士法人の債務をその弁護士法人の財産をもつて完済することができないときは、第1項の規定にかかわらず、指定社員(指定社員であつた者を含む。以下この条において同じ。)が、連帯してその弁済の責めに任ずる。ただし、脱退した指定社員が脱退後の事由により生じた債務であることを証明した場合は、この限りでない。
5
前項の場合において、指定事件に関し依頼者に生じた債権に基づく弁護士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときは、指定社員が、弁護士法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明した場合を除き、同項と同様とする。
6
第4項の場合において、指定を受けていない社員が指定の前後を問わず指定事件に係る業務に関与したときは、当該社員は、その関与に当たり注意を怠らなかつたことを証明した場合を除き、指定社員が前2項の規定により負う責任と同一の責任を負う。弁護士法人を脱退した後も同様とする。
7
商法第93条の規定は、弁護士法人の社員の脱退について準用する。ただし、同条第1項及び第2項の規定は、第4項の場合において、指定事件に関し依頼者に対して負担することとなつた弁護士法人の債務については、準用しない。
(社員の常駐)
第30条の16
弁護士法人は、その法律事務所に、当該法律事務所の所在する地域の弁護士会(その地域に二個以上の弁護士会があるときは、当該弁護士法人の所属弁護士会。以下この条において同じ。)の会員である社員を常駐させなければならない。ただし、従たる法律事務所については、当該法律事務所の所在する地域の弁護士会が当該法律事務所の周辺における弁護士の分布状況その他の事情を考慮して常駐しないことを許可したときは、この限りでない。
(特定の事件についての業務の制限)
第30条の17
弁護士法人は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行つてはならない。ただし、第3号に規定する事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一
相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二
相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三
受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
四
社員等が相手方から受任している事件
五
第25条第1号から第7号までに掲げる事件として社員の半数以上の者が職務を行つてはならないこととされる事件
(他の弁護士法人への加入の禁止等)
第30条の18
弁護士法人の社員は、他の弁護士法人の社員となつてはならない。
2
弁護士法人の社員は、他の社員の承諾がなければ、自己又は第三者のために、その弁護士法人の業務の範囲に属する業務を行つてはならない。ただし、法令により官公署の委嘱した事項を行うときは、この限りでない。
(弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止)
第30条の19
弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。
2
弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から当該弁護士法人に利益を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。
(弁護士の義務等の規定の準用)
第30条の20
第20条第1項及び第2項、第21条、第22条、第23条の2、第24条並びに第27条から第29条までの規定は、弁護士法人について準用する。
(法定脱退)
第30条の21
弁護士法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。
一
定款に定める理由の発生
二
総社員の同意
三
死亡
四
第6条第1号又は第3号から第5号までのいずれかに該当することとなつたとき。
五
第11条の規定による登録取消の請求をしたとき。
六
第57条第1項第2号から第4号までに規定する処分を受けたとき又は第13条第1項の規定による登録取消が確定したとき。
七
第30条の27第5項において準用する商法第86条第1項の規定による除名
(解散)
第30条の22
弁護士法人は、次に掲げる理由によつて解散する。
一
定款に定める理由の発生
二
総社員の同意
三
他の弁護士法人との合併
四
破産
五
解散を命じる裁判
六
第56条又は第60条の規定による除名
七
社員の欠亡
2
弁護士法人は、前項第3号及び第6号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
(弁護士法人の継続)
第30条の23
清算人は、社員の死亡により前条第1項第7号に該当するに至つた場合に限り、当該社員の相続人(第30条の27第7項において準用する商法第144条の規定により社員の権利を行使する者が定められている場合にはその者)の同意を得て、新たに社員を加入させて弁護士法人を継続することができる。
(解散を命じる裁判)
第30条の24
商法第58条、第59条及び第112条の規定は、弁護士法人の解散について準用する。この場合において、同法第58条及び第59条第1項中「株主」とあるのは、「社員」と読み替えるものとする。
2
法務大臣は、前項において準用する商法第58条第1項の規定による解散命令を請求しようとするときは、あらかじめ、日本弁護士連合会の意見を聴くものとする。
(清算)
第30条の25
弁護士法人の清算人は、弁護士でなければならない。
2
清算人は、清算が結了したときは、清算結了の登記後速やかに、登記簿の謄本を添えて、その旨を当該弁護士法人の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
(合併)
第30条の26
弁護士法人は、総社員の同意があるときは、他の弁護士法人と合併することができる。
2
合併は、合併後存続する弁護士法人又は合併によつて設立した弁護士法人が、その主たる法律事務所の所在地において登記をすることによつて、その効力を生ずる。
3
弁護士法人は、合併したときは、合併の日から二週間以内に、登記簿の謄本(合併によつて設立した弁護士法人にあつては、登記簿の謄本及び定款の写し)を添えて、その旨を所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
(民法の準用等)
第30条の27
民法(明治二十九年法律第89号)第50条、第55条、第81条及び第82条並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第14号)第35条第2項、第36条、第126条第1項、第134条から第135条ノ五まで、第135条ノ八、第136条ノ二、第137条、第138条及び第138条ノ三の規定は、弁護士法人について準用する。この場合において、同法第136条ノ二において準用する同法第135条ノ二十五第2項中「会社ノ業務ヲ監督スル官庁」とあるのは、「日本弁護士連合会」と読み替えるものとする。
2
商法第32条、第33条及び第34条から第36条までの規定は、弁護士法人の帳簿その他の書類について準用する。この場合において、同法第33条第1項中「記載又ハ記録スル」とあるのは「記載スル」と、同条第3項中「貸借対照表ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ」とあるのは「貸借対照表ハ」と、同条第4項中「貸借対照表ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ」とあるのは「貸借対照表ニハ」と、同法第34条中「記載又ハ記録スベキ」とあるのは「記載スベキ」と読み替えるものとする。
3
商法第68条、第69条、第72条、第73条及び第75条の規定は、弁護士法人の内部の関係について準用する。
4
商法第77条から第79条まで及び第81条から第83条までの規定は、弁護士法人の外部の関係について準用する。
5
商法第84条、第86条第1項及び第2項(除名及び代表権の喪失に関する部分に限る。)並びに第87条から第92条までの規定は、弁護士法人の社員の脱退について準用する。この場合において、同法第86条第1項第2号中「第74条第1項」とあるのは、「弁護士法第30条の18」と読み替えるものとする。
6
商法第100条、第103条から第106条まで及び第109条から第111条までの規定は、弁護士法人の合併について準用する。
7
商法第116条から第119条まで、第120条から第122条まで、第124条第1項及び第2項、第125条、第126条、第128条から第133条まで(第130条第2項及び第3項を除く。)、第134条ノ二から第136条まで、第138条並びに第143条から第145条までの規定は、弁護士法人の清算について準用する。この場合において、同法第117条第2項及び第122条中「第94条第4号又ハ第6号」とあるのは「弁護士法第30条の22第1項第5号乃至第7号」と、商法第145条第1項中「第80条」とあるのは「弁護士法第30条の15」と読み替えるものとする。
8
破産法(大正十一年法律第71号)第127条の規定の適用については、弁護士法人は、合名会社とみなす。
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